社長の悩み
- 2025.07.25

社長、お金をどうやって残しますか?
私たちの顧問先企業A社の社長B氏は、70歳で当初の予定通りめでたく社長を引退し、後継を長男に譲りました。今は年金生活者となっていますが実は悩みがあります。それは自由になるお金が無いこと。
B氏は30年前に食品製造会社を創業しました。創業時からの目標は、A社を売上10億円、自己資本比率50%超の優良会社に育てることでした。
B氏はその目標のために、役員報酬を低めに設定し、経費の無駄遣いをせずに、黒字経営に徹してきました。その結果、当初の目標通り、30年かけてピカピカの優良企業A社を作り上げ、経営を後継者にバトンタッチすることに成功したのです。
しかし、B氏に残された財産は、「売却できない優良会社A社の株式」と、「毎年200万円の年金収入」のみです。社長の鏡たるべきB氏が老後の資金に不自由をきたしてしまったのは、B氏が会社を経営することに必死で、自らの資産形成をないがしろにしてしまった結果です。子供たちに残せる資産はA社の株式と50年前に購入した自宅のみ。年金の200万円だけでは生活するのが精一杯です。
しかし、B氏は恵まれています。優良会社A社のオーナーであり、経営を無事、息子にバトンタッチすることができたからです。世の中では、多くの中小企業経営者が後継者不足に悩み、仕方なくM&Aを試みても希望している売値では到底売却できない現実に直面しています。
その結果、齢80歳にして現役の社長!
高齢になっても元気で働けてうらやましくもありますが、実は高齢者の社長の多くが経営者を辞めたくても辞められないのです。仕事を辞めたとたん収入は途絶えて生活が困難になります。経営している会社は常に資金不足なので、自らの貯金は会社に貸し付けておりその残高は数千万円。
会社の財務状況も収益性も芳しくないので、そのようなボロ会社は子供はもちろん、従業員も後を継いでくれない。体が動く限りは働かざるを得ません。
社長には色々なタイプの方がいます。B氏のように、会社をわが子同然に愛情を注ぎこみ、自らを犠牲にして会社の成長に全精力を傾注するタイプ。
税金を払うのは無駄。会社の利益は銀行から文句を言われない程度に少し黒字にする。役員報酬を高くすると社会保険料や所得税で半分以上持っていかれるので、なるべく報酬は少なくして、その代わり、会社の経費をふんだんに使って生活するタイプ。
金儲けは卑しいことなので、儲かったら社員にボーナスで還元し、原価となる原材料が高騰してもギリギリまで我慢して値上げをしない。その結果、資金繰りは、いつも綱渡りで経営するタイプ。
どのようなタイプの社長であっても、絶対に避けられないのは自らが老いることであり、いつかは死を迎えることです。お金儲けは決して人生の目的ではありませんが、お金は様々な選択肢とそれを選ぶ自由を与えてくれます。キャッシュリッチな会社を作ることと、社長自身が所有するお金を確保しておくことは、気持ちの余裕をもたらしてくれます。
大企業の社長と中小企業の社長は、同じ社長業ですが、根本的に違います。大企業の社長は、銀行借り入れに対して個人保証することもないし、たとえ業績が悪化して赤字の責任を取らされ、退任しても莫大な退職金と天下り先が準備されています。
ところが、中小企業の社長は、突然の業績悪化で無一文になるリスクを負いながら、老後は誰も保証してくれません。
私は30年近く、税理士・公認会計士として会計事務所を経営してまいりました。その間、1000社以上の社長とお付き合いをさせて頂きましたが、会社と社長に関する生涯、さらに未来に関するお金に対するアドバイスを行っているコンサルタントはほぼ皆無であることに気づきました。
中小企業では、会社のお金と社長個人のお金は実質的に同一視できます。ファイナンシャルプランナーは、社長個人の将来の人生設計とお金に関してアドバイスを行いますが、会社の経営に関しては素人です。
一般的な税理士は、会社の税金を計算し、場合によっては、経営や資金繰りに対してはアドバイスを行いますが、社長個人の人生設計にまで関しては関与しません。
銀行は、会社の事業承継やM&Aのアドレスや仲介を行いますが、会社や社長個人の本当の内情や望みを把握しているわけではありません。
それぞれの専門家が提案するアドバイスは、部分的には最適かもしれませんが、全体を通じてみると、必ずしも最適解とはなりえないのです。
中小企業の社長が最小限の税金コストで会社経営でお金を稼ぎ、そのお金を最小限の税金コストで社長個人に移転し、それを殖やして退職後の資金形成を成功させ、さらには子供や孫に残していくのは、並大抵ではありません。会社経営に関する知識、税金の知識、個人の所得税に関する知識、不動産や証券投資など資産運用に関する知識、事業承継に関する知識、贈与、相続税に関する知識など、関連する専門分野が非常に多岐に渡るためです。
私は、以下のフェーズに渡って、一気通貫で社長の望みをかなえるアドバイスを行うことを強く自らの最後の使命であると考えています。
- ・会社のお金をどうやって増やすのか。
- ・社長個人のお金をどうやって増やすのか。
- ・社長のお金をどうやって子供たちに残すのか。
私も齢64歳となり、体力的にもそろそろ引退を考えるようになりました。
今回の特別コンサルティングは、限定5社までとさせていただきます。 人生最後のご奉公と考えて、サービスをご提供させていただきます。
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